これを書いているのは12月。新小学4年生を囲い込もうと中学受験塾(大手)はやっきになっている時期です。
中学受験をするorしないは親の考え一つなので「する、しない」に是非はありません。いちパパば関西なので関東の中学受験の熱狂は数値としては知っていますが、現場としては知りません。
ただ、業界の端っことはいえ受験に関わってきた人間としては「中学受験の」センスがないなと思ったらさっさと撤退すべきだというのが持論です。
ここでいうセンスとは
課題を自分で処理できる。
これだけです。
噂レベルで聞いたところによると、関東ではSAPIXの宿題を管理したり、一緒にしてくれる家庭教師をつけることもあるとか。
どういう子どもであれ、中学受験をして乗り越えられれば将来生きていく力が身につくのであれば価値はあるでしょうが、合わない子(=課題すら自分で取捨選択できない子)にはその先々、燃え尽き症候群が待ち受けている確率が高いと考えています。特に、成績の面で一定ライン以下の私立中学は「元々そこより高い志望校を掲げて努力してきた子が下げていく学校」としては不要だと思っています。
元々その学校の「何か」に惹かれてそこに行きたくて努力して進む分にはいいですが、「下げて」行くのが違うと思っています。
同時に。行く能力があっても本人的に超進学校にいっても不適合を起こすこともあります。
いちパパの知る例として
超難関私立男子中学校→旧帝大受験失敗(浪人を嫌う)→一応名のある私立大学に進学→大学院進学の際に国公立に進学。
ここまでだと、大学入試の失敗はあるものの、どこにでもあるケースです。ただ、彼は圧倒的に中学受験の成功を悪い意味で引きずり、自己評価が高くなりました。
社会には不適合でしたね…。試験というハードルは頭が良いので超えてくるのですが、その先がなんともです。ゆえに友人が少なく、独立して仕事をするも自分の思い通りに何でもする(=周りもそれを受け入れる)というとんでも勘違いを起こして今はどこで何をしてるやらです。
ちなみに祖母や親にも無心して、いわゆる絶縁状態になったところまでは聞きました(しかも実母からなので間違いありません)
念のためですが、これは教え子ではありません。いちパパが社会に出てから知り合った人です。
ここまで酷いのはレアではあると思うのですが。少なくとも彼の人格形成に「中学受験」はかなりの影響を悪い意味で与えました。これは僕だけでなく関わった周りの人がみな口を揃えて言い、いちパパの友人などは
中学受験して賢いと分かった時は親は大層うれしかっただろうな。そのときは中学受験がここまで社会不適合に結びつくとは思ってなかっただろうな。実際にわが子が中学受験するって言い始めたらこのケースも考えてしまうな。
親として至極当然の話をしていました。
当たり前のことですが、大学卒業してからの方が長いわけですからね。
少し横道にそれますが、医学部医学科に現役で合格するための近道は間違いなく中学受験で超がつく難関中学校にいくことです。
なぜそうなのかは長くなるので割愛しますが。
でもそれ以外は子ども本人の一番伸びる時期に負荷をかけるという点を間違えなければ中学受験を経由しなくても十分難関国公立大学へ間にあう
というか、間に合ってきた子をたくさん見てきました。
そしてその種まきが幼少期であることも。
今回、この彼に関係することが久しぶりに耳に入ってくる機会があったので書いてみました。
いちパパのブログ上での「賢い子」は「中学受験で課題をさらっとこなす子」ではありません。
難関私立中学を出てなくても「賢い子」にはなれる可能性が大いにあるわけですから。
本日はここまで。お読みいただきありがとうございました。


